令和4年3月11日: 東日本大震災トリアージ訴訟を掲載
2007年12月の記事
ご冥福をお祈り申し上げます
2007年12月16日
佐世保共済病院院長、福井仁士先生がお亡くなりになられたとのこと。ご冥福をお祈り申し上げます。
http://kkrsasebo.blog.ocn.ne.jp/blog/2007/12/post_d157.html
福井先生のブログは、昨年、ドイツの医師ストライキの記事を紹介して下さって以来、ブックマークに入れてありました。
http://kkrsasebo.blog.ocn.ne.jp/blog/2006/05/post_4775.html
ドイツの医師のストライキの記事に関するエントリー、僭越ながら以下にコピーさせて頂いておこうとおもいます。福島県の救急病院医師も、そろそろストライキなど考慮すべき時期ではないでしょうか。
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ドイツで大学病院医師ストライキが続いている
私は、本年5月にドイツの学会に参加しました。その際、新聞やテレビでドイツの大学病院医師のストライキが9週以上続いていることを知りました。下に示したのは、5月13日のドイツの新聞の第1面の記事です。ドイツの新聞には掲載されているのに、このことについて日本ではまったく報道されていません。そこで、現地で友人のドイツ人医師から聞いたことを含めて私が知ったことを記載します。
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新聞記事の第1面。見出しは、“医師のストライキがエスカレートしている”
もともと、ドイツの大学病院の医師の待遇は比較的に優遇されていました。しかし、最近は経済状況が逼迫し、次第に給与の締め付けが行われこのストライキとなったものです。友人の話では、大学病院の医師には日本の国家公務員的な立場の医師と、各州が雇用している医師が存在します。前者にはストライキ権がありませんが、後者は医師労働組合に所属しストライキ権が認められています。そこで、後者の医師たちが現在ストライキを行っており、全国の大学病院に波及しているということです。
現実には、救急患者の手術は行われていますが、予定された手術はほとんど行われていないようです。私が参加した今回の学会でドイツの学会会長の挨拶では、このストライキにより大学での適切な患者さんの医療処置ができず、病院の収益は減少し、患者さんの大学病院に対する信頼感の喪失という事態を引き起こしているということです。給与引き上げを要求する医師労働組合の姿勢は強硬で、このストライキは6月のワールドカップサッカーの時期までも終わらないだろうといっています。
一方、一般市民や患者の受け取り方についての報道もあります。
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上に示したのは、被害を蒙っている患者の意見を収録した別の新聞記事です。予定された椎間板手術を2回延期されたり、骨折で受診し数時間以上対応を待たされた患者さんなどの意見が取り上げてあります。その見出しは、“でも、このストライキは正当なものと思う”となっています。これらの患者さんたちすべてではないにしても、ストライキを行っている医師たちに好意的であり、ストライキによる被害に耐え忍んでいるようです。
上記の記事を見たり、友人のドイツ人の医師の話を聞いて、私なりにいろいろ思うことがあります。まず、ドイツでは毎日といっていいほど新聞の第1面に掲載されている社会現象として重要な記事がなぜ日本には報道されていないかということを疑問に感じました。あえていうなら、日本ではこの件に関して一種の報道管制があるのではないかということです。
次に、このストライキに対して患者さんを含め一般の市民がかなり寛容な態度を示していることです。おそらく日本で医師のストライキが生じた場合、一般市民はこのような寛容な態度を示さないでしょう。これには、これまでの社会システムの成り立ちに大いに関係していると考えます。日本では、明治維新以来、教育とか医療とかお上から与えられるものでした。この感覚は日本に今でも残っています。しかし、ヨーロッパでは一般市民が下から盛り上げて築き上げてきた経過があります。そのため、大学病院の医療にしろ一般の医療にしろ、市民はその内容をよく報道され理解しているように見受けられます。
日本でも、現在病院勤務医の労働環境はきわめて悪化しており、ある程度以上経験をつんだ勤務医が次々と病院をやめてプライベートのクリニックを開業し、地域医療に必要な病院の医師不足のひとつの原因になっています。まだ医療問題にはいろいろありますが、日本ではそのような報道が一般市民によく伝わっていないように思われます。医師ストライキに対してドイツ市民が理解し、寛容な態度を示していることに、日本との大きな差を感じました。
「患者の自己申告を信じるな」
2007年12月9日
患者さんが持っていた母子手帳の記載を信じて診療行為を遂行したら医療事故が起こり、実はその母子手帳の記載が間違っていたことが判明したという事例。
患者さんの中には、何らかの検査をしようとすると、「この間検査したばっかりなのに、またするのか」と言い出す人が時々いるけど(これを読んでるあなたもそう思うことありませんか?)、相当重要度が高いと思われる「母子手帳」ですら信じるなということなので、必要な検査は何度でもやらねばならないことになります。
かくして医療費はどんどん増大してゆくのです。
以下、毎日新聞より。
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医療ミス:Rh不適合、乳児が黄疸 妊婦の血液検査怠る--中津の医院 /大分
中津市上宮永の産婦人科「おだクリニック」(小田高明院長)で8月末に生まれた男児が、母親の血液型の検査を怠った医療ミスで重い黄疸(おうだん)症状になり、中津市民病院に転送され、42日間入院していたことが分かった。
母親らの話によると、母親の血液型はRhマイナス。男児はRhプラスだが、小田院長は「(母親が長女を妊娠した時に作成した)母子手帳にRhプラスと書いてあるので、そう思い込んでいた」ととして、男児の妊娠時、血液型の検査をせず、母親に抗体ができるのを防ぐ「抗ヒト免疫グロブリン注射」も分娩時にしなかった。
男児は誕生翌日、黄疸がひどくなり中津市民病院に転送され入院。母親もその2日後、貧血で同病院に転送され、検査したところ血液型はRhマイナスと分かり、男児の黄疸原因はRh型不適合と判明。光線療法と輸血をした。
小田院長は母親らに「血液検査をしなかったのは申し訳ない。話し合いは誠意をもって尽くす」と話したという。取材に対し院長は「医者は結果責任がすべてです。この過失以降、自己申告などとは別にすべての妊婦の血液型検査をしています」と話した。母親は「輸血の後遺症が心配です。二度とこのような誤診をしないでほしい」と訴えた。【大漉実知朗】
毎日新聞 2007年12月8日
ニュースステーションスタッフが医療関係者でなくて良かった
2007年12月8日
ニュースステーションで不適切取材があったとのこと。
そもそもニュースステーションは字幕の誤字とか人名違いとかえらく多くて、しょっちゅうお詫びを出している。
彼らが医療関係者だったら間違いなく、いわゆる「リピーター医師」である。医療過誤を何件起こしたら済むかわからない。
そういう彼らが、医療業界をはじめ他業種のモラル批判なり業務上過失批判なりを繰り返しているわけだが、目くそ鼻くそを笑うもほどほどにしろよ。
以下、MSN産経ニュースより。
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マック改竄 テレ朝が証言者偽装
2007.12.8 00:10
テレビ朝日は7日、日本マクドナルドの調理日改竄(かいざん)問題について、11月27日放送のニュース番組「報道ステーション」に証言者として登場した女性が、番組の関係者で、当時すでに店をやめていたにもかかわらず、制服と店長代理のバッジを着けて出演していたことを明らかにした。同夜放送の番組内で古舘伊知郎キャスターは「視聴者に混乱と誤解を与えるもの。間違ったやり方だった。申し訳ない」と謝罪した。
この女性は、顔を隠したうえで赤白ストライプの制服姿で元店長代理として登場し、サラダの調理日に改竄があったという内容の証言をしていた。しかし、放送直後から、インターネットなどで「元店長代理がバイトの制服を着ているのはおかしい」「モデルチェンジ前のユニホームでは」などと疑問視する声が出ていた。同社にも視聴者から、おかしいと指摘があったという。
女性は番組の関係者で、収録を担当したスタッフは社内調査に対し「無理強いしたわけではない。相談してそういう形がいいでしょうと提案した。制服のほうが証言者としての真実味が増すという狙いだった」などと説明したという。
同社広報部は「視聴者に誤解を与えたが、証言そのものは改竄を裏付ける真実だととらえている」としている。
マクドナルドの改竄問題は、都内の4店舗で売れ残ったサラダの調理日時のシールを翌日のものに貼り替えていたことなどが判明。同社の原田泳幸会長兼CEOが記者会見して謝罪した。その後材料に賞味期限切れのものが使われていたことなどもわかった。