令和4年3月11日: 東日本大震災トリアージ訴訟を掲載
2012年6月の記事
眼科の予約と待ち時間について
2012年6月1日
以前に勤務していた病院で配布した、眼科の予約と待ち時間についての説明書のご紹介
いつも大変お待たせして申し訳ありません。眼科の予約のしくみと待ち時間に対する見解をお知らせします。
◆ 予約のしくみについて
例えば、9:00の予約の場合、実際には9:00~9:30の枠に1医師あたり3人の患者さんの予約となっています。10分刻みで1人ずつの予約にしても、時間通り・順番どおりに進む可能性は低いので、30分という大まかな枠で決めており、9:00の予約の方は、9:00~9:30の間に診察・検査を開始することを目標とします。
◆ 予約外の受診について
予約外の方は、予約枠の予約の人が終了した後、次の予約枠までの間に診察します。
◆ 予約の方が予約時間よりも早く来院された場合について
例えば11:00予約の方が9時に来院した場合、予約時間の11時までは順番が優先されず、予約外と同様になり、空いた時間があれば診察いたします。11時になりましたら優先されます。
◆ 予約の時間通りにならないことが多い理由
一言で言えば、「予約の時間通りに診療を進めるためには、予約の予定時間が過ぎたら患者さんの診察を直ちに終了することになるので、十分な診察ができなくなるから」ということになります。そのようにした場合には、あなたに対しても十分な診察ができなくなる場合があります。
余裕を持って診察するために予約枠を大きく取ると、今度は予約枠自体が少なくなり、一部の人しか予約が取れなくなります。その場合は急を要する病気の人や、連日通院が必要な病気の人など、定時に診察する必要性が高い人を優先せざるを得なくなり、逆に1ヶ月毎の通院などの定期的な受診の方には予約をお取りせずに、予約外の受診を指示することになります。
さらに、以下のような事情もあります。
1. 予約の方も予約外の方も、実際に診察してみないと所要時間が分かりません。例えば、診察と処置に30分かかる人がいれば、それだけでそれ以降の予約時間がすべてずれ込みます。30分かかる人が3人いれば、それだけで1時間以上遅延してしまいます。
2. 眼科では、診察の前にさまざまな検査があり、しかも患者さんによってまちまちなため、予約診察の進行を完全に管理することができません。
以上、大変心苦しい説明になりますが、ご理解賜りますようよろしくお願いします。
○○病院眼科
総合病院での、医師の交替についての説明
2012年6月1日
医師の交替について
総合病院のほとんどでは、勤務医師がしばしば交替します。現在○○病院眼科には、◇◇大学医学部眼科学教室に所属する医師が、その◇◇大学眼科の指導で○○病院に赴任しています。この体制の利点は、眼科学教室側で医師を多数確保し医師の職場を安定して割り当てると共に、病院側は自力では難しい医師確保作業を眼科学教室にお願いしておくことによって、安定的に医師を確保でき、また急な欠員などにも柔軟に対応できることなどです。また、医師としても、日々常に新しい知識を得て診療技術の向上に努める必要があり、その一環として、さまざまな職場でさまざまな症例(患者さん)を診察し、考える訓練をする必要があると考えられます。逆に言うと、同じ職場にあまりに長い期間在籍すると、刺激に乏しく診療パターンが硬直化して、新しい診療技術習得が疎かになる可能性があります。そのようなこともあり、医師の交替は医師の質の向上、ひいては日本の医療水準向上に必須なものと考えます。通常の会社組織のように急な職場異動を指導され、患者さんに浸透しないうちに異動になることも少なくなく、この点は改善の余地があると思いますが、医師がしばしば交替すること自体は、上記の通り必要なことだと考えます。
このようなことから総合病院で継続受診する場合、特定の医師にかかりつけるという考えは成りたちにくいものです。今後も、たびたび医師の交替があると思いますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。