令和4年3月11日: 東日本大震災トリアージ訴訟を掲載
麻酔方法
ほとんどの場合は、目薬だけの点眼麻酔か、しろめに注射するテノン嚢下(のうか)麻酔です。その他も含めて以下のようになります。
方法 | あらまし | 長所 | 短所 |
点眼麻酔 | 目薬の痛み止めなので、いわゆる「麻酔」のイメージはありません。ほとんどの場合これで痛みは感じなくなります。ちなみに眼圧を測るときに使用するしみる目薬も同類です。 | 目薬なのでとても簡単 眼に傷を直接つけない |
他の方法より少し効果が弱い場合がある。 |
テノン嚢下(のうか)麻酔 | しろめに注射する痛み止めです。注射と言っても目玉に刺し通すわけではなく、しろめの表面の薄皮の下に、先の丸い針で注入します。麻酔自体が痛くないように、前もって点眼麻酔をします。 | かなり確実に痛み止めできる | 点眼よりも手間がかかる しろめに傷をつけるので,出血してしろめが赤くなる |
前房内麻酔 | 黒目のへりを切った後に、目玉の中に痛み止めを注ぐ方法です。黒目のへりを切るときには、通常は点眼麻酔をしておきます。 | かなり確実に痛み止めできる 眼に傷をつけない |
手術後の炎症が、すこし長く続く可能性がある。 |
球後麻酔 | 下まぶたの下の眼のくぼみから曲がった針を刺して、目玉よりも後ろの方に痛み止めを注射する方法です。注射自体が結構痛いのですが、手術が長引きそうなときや、手術中に目玉がぎょろぎょろ動きそうな人には良い方法です。 | さらに確実に痛み止めできる よく効けば手術中に目玉が動かなくなり、手術の安全性が高まる |
麻酔自体が痛い まれに目玉の後ろで出血が起こり、手術がやりにくくなったり、延期せざるを得なくなる。 |
全身麻酔 | 「目玉の手術なんて怖いので、全身麻酔でやってください」という方がいらっしゃいますが、全身麻酔はその他の麻酔(局所麻酔)に比べたらずっと大変なので、普通はやりません。じっとしていられない子供や知的障害、認知症のある方の手術など、どうしても必要な場合以外は使われません。 | 体や眼が動かないので、手術自体の安全性は非常に高まる | 全身に負担がかかり、他の麻酔よりも危険がある |
いずれにしても、手術の痛みはまず心配ありません。多くの方が、「顔に張った布を、手術が終わってはがすときが一番痛かった」と言います。