令和4年3月11日: 東日本大震災トリアージ訴訟を掲載
積和の公式の覚え方
問題 を和の形に直せ |
和積の公式は,二つの角を α + β , α - β とおいて加法定理で展開するだけの単純なものでしたが,積和の公式はどうでしょう.実は積和の公式も,公式をその場で作るというよりは,その計算方法を覚えておくものなのですが,和積の公式にくらべるとやや複雑です.とはいえ誰もが思っているほどには難しくはありません.
この問題の場合,まずはこの を含む加法定理の式を2つ書きます. を含むのは, の加法定理で, と の2つだと気づかねばいけません.ここでは を含むものを書くので, と の2つで,それらの式は
となります.さて,この2式から, を残して を消すにはどうしたらよいでしょう? それには両辺をたすことになります.ついでに左辺の について, , と計算してしまいましょう.すると,
+) (←括弧の中は普通に計算した)
となりますから,左右を入れ替えて両辺を でわれば,
となり,変形が終わりました.あとは を になおしてカッコを展開すれば完璧です.
このように,与えられた積を含む加法定理の式2つを,たすかひくことが,積から和の形に直すときのポイントです.
この方法で全ての積和の公式が作れます.
が登場する加法定理の式は,先に言ったように と の2つですから,まずこれらを並べて書きます.すると
となり, を残すには2式をたせばいいので,
+)
となり,左右を入れ替えて両辺を でわると
という公式ができました.
が登場する加法定理の式は, と の2つです.
ここで を残すためには を消すことになるので,2式を引き算せねばなりません.
−)
この場合は左右を入れ替えて両辺を でわって,
です.
が登場するのも と同様, と の2つです. を残すためには,両辺をたすことになります.
+)
これを左右入れ替えて両辺を でわれば
というわけです.
ここでは一応公式を書いておきましたが,先に述べたようにに公式を丸暗記するのではなく,与えられた積を含む加法定理の式2つを,たすかひくと覚えておけばよいわけです.