令和4年3月11日: 東日本大震災トリアージ訴訟を掲載
Σ とは?
今ここに,数列
があるとする。さて,この数列の第n項までの和というのは,
のことであるが,この表し方だと「この数列の第5項から第20項までの和」というものは一発では表せない。そこでそれを表すために考え出されたものがΣ (シグマ)記号である。1ずつ変わっていく部分を適当な文字で身代わりしてもらい(ここではkを使う),「Σ 」の下と上に,その文字が何から何まで次々に変わるかを示して,
と表すのである。
(Σ の下の「」が「kは5から」を,Σ の上の「20」が「20まで」を表す。)
ところで,ここで注意すべきことは,上の式の文字kは,5から20までの数字の単なる身代わりであるから,別にkでなくても構わない,ということである。例えば
は,や や と全く同じなのである。どの式も展開すれば,つまり文字の部分を5から20まで次々に変えていって全部を足せば,できる和の式は同じなのである。そこで,目の前にあるΣ が何を表すかを的確につかむには,「このΣ を展開したらどうなるか?」を常に考えることが重要である。例えば今登場したであれば,kに5 , 6 , ……, 19 , 20を次々に代入して足すととなることが即座にわかることが必要である。
ところでΣ でまとめられるのは,の中のの部分,つまり数列の添字,だけにとどまらない。例えば
のように,次々に1ずつ増えていく部分がある数列の和であれば,その部分を適当な文字で身代わりしてもらえば,
とまとめることができるのである。
逆にこのが与えられたときは,kにを次々に代入して足すと,となることが即座にわからなければならない。
おまけ話であるが,数列の和をΣ で表すなら,数列の積はどうか,というとこれにもちゃんと記号があって,例えば数列{an}の第5項から第20項までの積は,
と表すのである。因みにΠはギリシャ文字πの大文字である。